実はハイイロチョッキリという、ユーモラスな名の昆虫が切り取って落としたものです。
まだ青いドングリの実が1つとか3つとか付いたままです。
拾って実の部分をよく見ると、必ず小さな穴が穿たれています。それも直接ではなく「はかま(殻斗)」に開けられていて、外すと実に通じているのがわかる。
実の部分を縦に切ってみると、表皮の近くに小さなカプセル形の卵が産みつけられていました。入口は簡単にふさいであるようです。卵から孵った幼虫にドングリを食べて成長させるため、まだ若い実のうちに切り落としてしまうのでしょう。「はかま」の部分から産卵して、枝が落下するときの衝撃とか外敵から卵を守る効果をねらっているようです。
ハイイロチョッキリはオトシブミに似た小さなゾウムシの仲間です。実際問題ドングリよりはるかに小さく(8mm程度)その躰でよく枝を切り落とすもの。今回は作品だけを掲示しました。なぜなら高い木の枝で仕事をしているのとその小ささから、虫の画像を得るためにはシートを下に敷き、木の幹を思い切り蹴って振り落とすような手段が必要で、公園でそんな大掛かりな作業は恥ずかしい。なのでどこかで偶然目にするまで気長に待つことにします。